『概要』

臨床検査部門は検査部や病理部をはじめ、遺伝子細胞療法部・放射線科・麻酔科蘇生科・循環器内科・ハートセンター生理検査室・内分泌糖尿病代謝内科 肝臓膵臓胆道内科・病理系リエゾングループなど、様々な診療科に配属された臨床検査技師・衛生検査技師100名以上で構成されています。

検査部では、臨床検査室の国際規格であるISO15189を2006年に取得しました。2019年には病理部もISO15189を取得し、その理念及び品質方針のもと検査業務を行っています。

 

『業務内容』

臨床検査は大きく検体検査と、生理検査に分けられます。
*検体検査
血液や尿をはじめ、便や痰、胸水や腹水、関節液、髄液や骨髄液など、体内のあらゆる部位に存在する体液中の各種の物質の濃度や働きを測定するのみならず、組織の一部を採取し、がん細胞を検索する組織診断等もあります。
*生理検査
心電図、呼吸機能、脳波、超音波検査などが含まれます。


<検査部>

検査部では入院、外来を問わず24時間365日、検査データを提供しています。また、遺伝子検査を含む血栓性素因検査、ミトコンドリア遺伝子検査、血液腫瘍検査、ヘモグロビン異常症検査など特殊検査も多数実施しています。

検査部の検査内容等について、詳しくは九州大学病院検査部ホームページをご覧ください。


<病理部>

正しい病理診断はより良い治療に直結します。九大病院では、「患者さんのための病理診断」を目標に、病理部と医学研究院の病理病態学、形態機能病理学、神経病理学、歯学研究院の口腔病理学の様々な専門性を有する病理医の連携により病理診断がなされています。最終的な病理診断の決定に際しては、臨床医との連携も盛んに行われており、「チーム医療」の一員として診断・治療に貢献しています。


<遺伝子・細胞療法部>

遺伝子・細胞療法部では、造血器悪性腫瘍の診断から治療に関わる検査と造血器幹細胞および臓器移植に関する検査、検査部と共に行っている輸血検査業務の3つを柱とした業務を実施しています。

詳しくは遺伝子・細胞療法部ホームページをご覧ください。


<ハートセンター>

循環器領域の検査に携わっています。

【心エコー・血管エコー】超音波を用いて、心臓や血管の大きさ、動き、血液の流れを調べます。

【ABI】両腕・両下肢の血圧を測定し、下肢動脈の異常や血管の詰まり、動脈硬化の程度を調べます。

【運動負荷心電図】心臓に運動による負荷をかけて、心電図異常の出現の有無を調べます。

【心臓カテーテル補助業務】血管内に細い管様々な検査や治療ができます。冠動脈(心臓に栄養を送る血管)、不整脈の治療、心不全評価など、様々な循環器疾患の検査や治療のサポートを行っています。


<産婦人科(ART室)>

ARTとはAssisted Reproductive Technology:高度生殖補助医療の略です。不妊治療に関わる卵子・受精卵の培養・管理、精液処理、機器・部屋の管理等を行っています。

ART室内は採卵室と培養室とに分かれており、採卵室では患者さんの卵巣から卵子を採取する採卵と受精卵を患者さんの子宮に戻す胚移植が行われます。培養室には1台のクリーンベンチと4台のインキュベーターがあり、受精・培養・凍結融解など一連の作業を全て行っています。医師と連携を取りながら不妊治療に関わるチームの一員として丁寧に業務に取り組んでいます。


<耳鼻咽喉・頭頸部外科>

聞こえとめまいなどに関する検査を言語聴覚士と協力しながら行っています。

【標準純音聴力検査】

最も基本的な聴覚機能検査です。難聴かどうか、難聴であれば、耳から脳にいたる聴覚経路のどこに問題があるのかをおおまかに調べます。

【精密聴力検査】

標準純音聴力検査で難聴と診断された時に行う、さらに精密な聴力検査です。中耳が問題なのか、内耳が問題なのか、さらに奥の神経に問題があるのかを詳しく調べます。また、言葉の聞き取りの検査も行います。これらの情報が補聴器を調整する時に役立ちます。

【他覚的聴力検査】

脳波や、内耳からはね返る音を解析する検査です。上記の聴力検査に協力できない乳幼児でも行うことができます。「聞こえないふり」ではなく本当に難聴だと証明する時や、赤ちゃんに生まれつきの難聴がないかを調べる時には必ず行う検査です。

写真1(聴力検査をしているところ)

【平衡機能検査】

めまいの診断や治療方針を決めるために行います。重心動揺計では体がどの程度ふらついているか数値で計測できます。また、内耳の影響でめまいが起きる時は眼振という、特徴的な目の動きがみられます。この眼振をコンピュータが解析してどの程度内耳が弱っているかを詳しく調べます。

写真2(平衡機能検査室)

写真3(眼振を解析した画面)

【顔面神経誘発筋電図検査】

顔面神経麻痺を詳しく調べる検査です。顔の皮膚に電極を貼り、顔面神経を電気刺激します。電気刺激に対する筋肉の動きを解析して顔面神経がどの程度傷ついているか調べます。顔面神経が極度に弱っていることが分かったら、神経の回復を手助けするための手術を検討することもあります。


<内分泌代謝糖尿病内科・肝臓胆道膵臓内科>

第三内科は、内分泌糖尿病、肝臓、膵臓胆道疾患、血液、消化管疾患を主に診ております。第三内科の入院患者のほぼ全例に体組成検査や内臓脂肪測定や肝硬度検査を施行しており、内分泌糖尿病内分泌糖尿病では、動脈硬化検査をほぼ全例に施行しております。血液疾患は移植をしており、それに伴う骨髄検査を年間100例程施行しております。


<麻酔科蘇生科>

手術室内検査室において、手術中の麻酔管理に必要な、血液ガス分析装置や、全血血球計測機器、血液凝固分析装置など臨床検査機器の装置管理業務(検査機器の点検・整備・調整)を行います。精度管理業務にも従事し、正確な検査結果を常時提供できる環境を整え、麻酔管理に貢献しています。止血管理が重要な手術症例が多いため、手術中の迅速な血液凝固線溶能の測定と評価も行います。


<産科婦人科 (病理系リエゾングループ)>

婦人科手術における病理関連業務を行っています。具体的な内容は以下の通りです。

  1. 術中迅速病理検査を行うため、手術室から病理部へ検体を運搬、病理医へ臨床情報・術中所見を伝達、切り出し方法の説明をする
  2. 病変部を確認するため標本を切開し、写真撮影を行う
  3. 研究用に固定前の組織を採取し、液体窒素などで急速凍結し保存する
  4. 摘出標本を貼り付けし、ホルマリン固定を行う

取り扱う標本として、子宮・卵巣・リンパ節などがあります。

臨床現場において必要な医学的知識と、検査の知識・情報を併せ持ち、医師の専門的な要求や医療の進歩に対応して業務を行っています。


<第2外科 (病理系リエゾングループ)>

肝生検標本作製業務と手術室業務を行っています。

  1. 肝生検標本作製業務主に生体肝移植後の病理診断を目的に行う検査です。肝臓に生検針を刺し、肝臓の組織の一部を採取する検査です。様々な肝臓疾患の原因や病態を把握し、診断や治療方法を決定するために必要な検査です。

    採取した肝臓の組織をホルマリン固定し、パラフィンブロックを作製し、薄切、ヘマトキシリン・エオジン染色を行っています。必要に応じて免疫染色も行っています。

  2. 手術室業務乳腺の手術時に術中迅速対応、標本写真撮影、サンプル採取などを行っています。術中迅速検査には、センチネルリンパ節への転移の有無の検索、乳腺の部分切除の断端検索があります。病理部への検体の運搬、病理医への臨床情報の伝達、切り出し方法の説明などを行っています。摘出された標本に割を入れて、腫瘍部、正常部のサンプル採取を行っています。臨床現場において必要な医学的知識と、検査の知識・情報を併せ持ち、医師の専門的な要求や医療の進歩に対応して業務を行っています。

<脳神経内科 (病理系リエゾングループ)>

脳神経内科では、神経筋疾患が疑われる場合に筋生検を行なっています。筋力低下や筋緊張低下などの症状と年齢・性別や侵された部位などによって予測されますが、症状が似ていても全く別の疾患のことがしばしばあります。そのような場合、筋生検によって確定診断を行います。筋肉の組織を急速凍結し、10μm厚さに切って染色し、組織の変化を見ています。

また、神経病理学では、神経変性疾患によって亡くなった方の剖検を行い、脳の組織をホルマリン固定し、6μm厚の標本を作り、組織の変化を見ることで、病態の解明を行なっています。